吉田敦子先生
7/14(水)9:45~12:45
3時間にわたり、産前・産後ドゥーラ養成講座第1課程を行いました。
先生はNPO法人母子フィジカルサポート研究会代表理事、助産師の吉田敦子先生です。
吉田敦子先生にはかれこれ20年のご指導をいただいています。
人間として、研究者として、母子を支える助産師として、先生のご経験と勉強量に圧倒されつつ
多くのシッターは憧れの念を持って研修会に参加しています。
ドゥーラ第1課程
ドゥーラ第1課程では「ドゥーラマインドと妊娠分娩の知識」を学びました。
ドゥーラとは
アメリカの医療文化人類学者である、D.ラファエル女史は女性が妊娠・分娩・育児をするときに支えてくれる「助っ人」のことを「ドゥーラ」と呼びました。
「安心して産んでください。私たちが守ってあげています。」
心身共に、母親を支え、優しく勇気づけてあげる人。
それがドゥーラです。
ドゥーラの役目は「マザリング・ザ・マザー」新しい母親へのマザリングです。
お母さんになる方が心の平安と落ち着きを持って、これから子育てをしていかれるよう、自信を持って母親になれるよう、そんな想いで研修会が始まりました。
自問自答
まずは自問自答の時間。
「私はなぜドゥーラになりたいと思ったのか。」
目を閉じて自分の心に聞いてみる時間。
親切でいたい
気にかけたい
愛したい
本心から支援したい
正直でいたい
ありのままでいたい
きずなをつくりたい
心を込めて仕事をしたい
何としても助けてあげたい
一人一人の受講生が色々な思いでこの研修に参加しているのだと思います。
バイスティックの7原則
次に、相手を理解する方法と困難に遭った時の考え方をバイスティックの7原則に従い、1つ1つ学んでゆきます。
新しいお母さんに関わる中で悩んだり、迷ったり、焦ったり、怒ったり、感動したり、色々な感情に心を揺さぶられた時、バイスティックの7原則に従い、自分の仕事の足跡を検証することで
反省や気づきが得られ、自分自身を戒めたり、励ましてサポートすることができる技術です。
ワークショップ
ドゥーラが寄り添うことの効果を学んだあと、ワークショップ、グループワークを行いました。
ワークは2種類。
聴き方
質問の仕方です。
受講生はお互いに3つの態度で話を自分の話を聞いてもらいました。
上の空で聞いてもらう方法
メモを取りながら、質問しながら聞いてもらう方法
表情や姿勢、ジェスチャーを交えて気持ちに意識を集中して聞いてもらう方法です。
質問についてはイエスノーで答えられる質問と自由に答えられる質問を
交代しながら行いました。
ワークを終えると皆日頃自分がどのような態度で話を聞いているかが分かりました。
そこからさらに考えると、話を聞く方法を場面により、人柄により変える方法ができるようになると
様々な状況により正しい聞き方ができ
相手の本当の願望やニーズを理解し、さらにそこから一人一人の背景を理解することができることを学びました。
妊娠、分娩の仕組み
後半は女性ホルモンの流れ、そして妊娠生活について週数ごとの特徴や体の変化、最後は分娩経過について勉強しました。
分娩時の赤ちゃんの第1回旋から第4回旋までの流れとお母さんの痛みの変化、そして産褥期までの経過を学びます。
研修報告
第1課程を終え、受講生は研修報告書をまとめます。
「ドゥーラとは何を知っているかではなく、ドゥーラであるということが重要であることを知りました。
そばにいる技術を身につけることに大きな役目があるのだということを学びました。
もっともっと深く知識を得てゆきたいと思います。
また言葉がけの仕方だけでなく、むしろ聴き方が大切で、相手はどのような聴き方をされると安心できるのかをしっかり考え、聴き方を変える技術を日々磨いてゆきたいです。
コミュニケーション力の研修を受けたことはありませんでしたが本日はとても良い学びになりました。
産後ドゥーラ、産後ケアの大切さをより理解し、今後さらに知識を増やしていけるよう努力したいです。牛窪利江」
JBSの産後ドゥーラ
出産する年齢が高くなっている今、40代での妊娠分娩は普通になりました。医師や助産師に見守られ、快適な入院生活も送れます。
ですが、東京の多くの新しいお母さんたちは実家の母親に手伝ってもらうことができません。
実家の母親が高齢だったり、母親が介護や仕事をしているため、手伝いたくても手伝えない状況が多いのです。
住宅の問題もあるでしょう。
コロナの問題もあるでしょう。
新しいお母さんは「自分の体が元気だから一人でも大丈夫」と思うかもしれません。
でも産後はゆっくり養生することがとても大切です。
ゆっくり横になって過ごすことで、産後のゆるい骨盤がもとに戻ってゆきます。
新しいお母さんの体のために、家族が赤ちゃんとスムーズに生活が送れるように。
もし、自宅での赤ちゃんとの生活に少しでも不安を感じたら、どうぞ私たちを呼んで下さい。
新しいお母さんのそばにいるために、私たちは勉強しています。
いつでも産後ドゥーラを呼んで下さい。
2021/7/28 吉川千穂